Q-1 子宮がん検診ってなんですか?

 子宮がんは、「子宮頚がん」と「子宮体がん」に分けられます。

 子宮頚がんは子宮頚部にできるがん、子宮体がんは子宮体部にできるがんです。

 子宮がん検診は、一般的には「子宮頚がん検診」の事を指します。

Q-2 子宮がん検診(頚がん検診)はどのように行うのですか?

 子宮頚部は、直接見ることができます。目で見て確認しながら子宮頚部の表面と、少し奥の細胞をこすりとります。こするだけなので痛みはありません。時に極軽度出血をきたすことがありますが心配いりません。こすりとった細胞をプレパラートに乗せ、検査機関に提出します。

 がん検診なので、がん細胞があるかないかを見ます。プレパラートに乗せ、顕微鏡で(がん細胞があるかないかを)みるのです。

Q-3 がん検診の結果はどのように見るのですか?

 以前は「5段階評価」でした。3(Ⅲ)は、さらにaとbに分けられていたので、6段階評価ですね。「Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ(Ⅲa、Ⅲb)、Ⅳ、Ⅴ」のどれかです。Ⅲ以上は要再検査でした。

 現在は、NILM、L-SIL、H-SIL、SCC、ASC-US、ASC-HやAGCなど、英語表記が併記されることが多いですね。NILM以外は要再検査です。

Q-4 がん検診で要再検査の結果でした。がんでしょうか?

 がん検診の結果は、「ⅠからⅤ(1から5)」、または「NILMなどの英語表記」と表記されます。これらは病名ではありません。細胞を見るだけでは、断定はできないのです。少しでもがんが疑われたら(少しでも細胞が変な形をしていたら)確定診断のために再検査を行います。「要再検査=がん」ではありません。

Q-5 子宮頚がん検診の再検査とは?

 子宮頚がん検診は子宮頚部の細胞診です。細胞診で要再検査が出た場合には、次には組織診を行います。

 組織をとるといっても、初期のがんは目で見えないくらい小さいので、どこが疑わしい部分かわかりません。なので大きな拡大鏡(コルポスコピー)を用いて、疑わしい部分(血管がくねくねしていたり、敷石みたいに見えたりする部分が怪しい部分です)を選んで、耳かき1杯分くらいの組織を取り、病理検査に出します。稀に出血が多くなり、止血処置が必要となる場合があります。組織を取る時に少し痛みを感じますが、検査自体は10分程度で終わります。

Q-6 がん検診は何年毎に受ければよいのでしょうか?

 がん検診は、「今がんであるかどうか」を調べる検査です。今が大丈夫でも2年後、3年後はわからないと不安になる気持ちも理解できます。

 最近は、市町村のがん検診は「20歳以上」「2年に1回」の所が多いですね。

 心配ならば、自費診療となりますが、産婦人科や人間ドッグなどでその間に子宮頚がん検診を受けられてもいいと思います。不正出血や性交時出血等、症状があれば産婦人科に受診しましょう。保険診療として子宮頚がん検診を行うことができます。

Q-7  がんじゃないけど正常ではない?異形成ってなんですか?

 子宮頚がんではありませんが、正常細胞ではない変化した状態のことをいいます。細胞上の変化なので見た目にはわかりませんし、細胞診(顕微鏡で細胞を見る病理検査のこと)や組織診(顕微鏡で組織片を見る病理検査のこと)で見つかります。

 がん検診で要再検査の結果が出て、コルポスコピー下組織診(バイオプシーともいいますね)を行い、初めて診断がつきます。症状は特にありません。

 異形成はさらに軽度、中等度、高度に分類されます。

 大部分は自然に消退するのですが、なかにはゆっくり進行し、やがてがんになるものもあります。

 なので、異形成は、前がん状態(がんではありません。将来がんになるかもしれないという事です)として扱い、外来にて慎重にフォローする必要があります。

Q-8 こわくてがん検診に行きたくありません。

 子宮頚がんは自覚症状に乏しく、性交時出血、不正出血、帯下増量感などの自覚症状がみられた時には進行していることが多いです。自分で気づくことが難しい(気づいたときには進行している)がんです。

 がんの診断は、細胞を取ってがん細胞の有無を確認しないといけません。子宮頚部は直接見ることができるので、カメラを飲んだり針を刺したりと大変な思いをせずに、容易に細胞を取ることができます。子宮頚がんは、他のがんと比べて、検診や診断の負担が少ないがんなのです。早期で見つけることができる癌なのです。しかも初期がんで見つかったのなら根治も可能です。

 がんが見つかるのが怖いのも理解できますが、ここは考え方を変えて、「初期ならば根治が可能だから」「初期でがんを見つけるために」がん検診を定期的に受診しましょう。

 内診台に上がるのが怖いのなら、大丈夫です。その旨スタッフでもかまいませんので、声かけて下さい。最大限配慮させていただきます。大丈夫です。