Q-1  バルトリン腺ってなんですか?

 バルトリン腺とは、汗腺や唾液腺のような分泌物を出す器官です。腟前庭の後部にあります。通常の状態では、触ってもどこにあるか分かりません。膣の入り口の5時と7時の方向に開口し、分泌物を出しています。その分泌物は、潤いを与えたり、感染を防ぐ等の働きを持っています。バルトリン腺はその位置から、細菌による炎症を繰り返しやすいのです。

Q-2 バルトリン線膿瘍って何ですか?

 バルトリン腺に感染を起こすと、バルトリン腺膿瘍を形成します。膿瘍とは膿のかたまりのことです。膿瘍は外側に膨れ、ピンポン玉大のできものを触れるようになります。炎症が進行すると、痛みが強くなります。痛くて椅子に座れなくなることもあります。

Q-3 バルトリン線膿瘍の治療について教えて下さい

 急性の炎症では抗生物質の投与を行います。ペニシリン系、セフェム系、ニューキノロン系などの抗生物質が使われます。膿瘍を形成した場合や、慢性型の嚢胞に対しては手術療法を行います。

Q-4 バルトリン線膿瘍の手術療法について

 ①穿刺術:膨らんだ部分を注射針で穿刺し、膿を吸引します。その後、抗生物質を内服し、感染の治療を行います。穿刺した針穴は塞がってしまうため、人によっては再発が認められます。

 ②造袋術:バルトリン腺の分泌機能を残すことが可能です。切開して膿を出したあと、切開部を開いたままの形で縫合します。通常は麻酔を使用します。この手術は、短時間で済み効果的ですが、再発することもあります。

 ③摘出術:バルトリン腺を摘出する手術です。出血しやすいなど、手術は必ずしも簡単とはいえません。通常は入院施設のある病院で、入院して行います。再発はありませんが、分泌機能がなくなるため、性交障害が起こることがあります。