「他の人より多いのか少ないのか、わからない。」と質問されたことがあります。経血量を測定することは難しいですね。というか無理です。
過多月経の目安として150mlという基準はあります。しかし、実際は、多い、少ないは、問診や臨床症状などで判断します。
過多月経は以下のような訴えが見られます。
「かたまりが混じる」「生理用パッドが2時間持たない」「1週間以上続く」
また、「顔色が悪い、動悸・息切れ・めまい」などの貧血症状が見られます。採血で貧血を確認する方法も診断に用いられます。
過多月経を引き起こす病気がないか、検査をします。
例えば、突然の過多月経は妊娠に伴う病気(流産や子宮外妊娠など)を疑います。
婦人科の病気(筋腫や子宮がんなど)も過多月経を引き起こします。
血液の病気や肝臓、甲状腺の病気でも過多月経をきたす事があります。
他にも子宮内避妊具や抗凝固薬など、過多月経をきたす疾患は多岐にわたります。
問診に加え、妊娠検査や超音波、採血などの検査を行います。
子宮筋腫など、過多月経の原因が解っている場合には、原因疾患の治療を行います。
思春期では性周期確立の未成熟により、過多月経が起こります。閉経前ではホルモンバランスが崩れて、過多月経が起こります。
このような場合には、「止血目的にホルモン製剤を使用する」「場合によっては子宮内膜掻把を行う」等で、貧血を改善してから、ホルモン剤で月経周期を整えていきます。子宮筋腫や子宮がんなど、婦人科的な疾患が隠れている場合も多いです。
過多月経かなと思ったら産婦人科受診をおすすめします。